リノベーションマニュアル
リノベの疑問、すっきり解消 Q&A
Q1 中古物件はどのくらい古い物件がリノベーション向きですか?
住宅市場では、戸建ては築20〜25年で、マンションは築15〜20年で底値になり、それ以降は価格が下がりにくくなります。安さを求めるのであれば、それくらいの築年数を目安に。住宅ローン減税は、耐火構造なら築25年以内、木造住宅など非耐火構造なら築20年以内の物件で、購入に際して10年以上のローンを組むことが条件。 物件の安さをとるか、減税対象の物件をとるか。先々の支払いのシミュレーションをして比べてみるなど総合的に判断しましょう。
Q2 購入した物件で雨漏りが発生。仕方ないですか?
不動産売買契約に則って、売主の責任で直してもらうことが可能です。中古住宅の売却にあたって売主が買主に示す書類の中に「付帯設備及び物件状況報告書」があります。この書類での申告に相違して故障が見つかった場合は、売主の負担で復旧してもらえます。他にシロアリの害、給排水設備からの漏水、柱や梁といった建物主要部分の腐食など、解体作業中に見つかることも。いずれも売主の瑕疵担保責任で補修してもらえます。ただし、保証期間は引き渡しから2か月程度なので注意が必要です。
Q3 あまり古い物件だと、リノベーションしてもすぐに建物にガタが来ませんか?
たしかに、何年その家に暮らすことができるか購入後の耐用年数が気になります。
戸建て住宅は築30年も経つと建て替えられることが多いですが、建物(土台や躯体)の耐用年数はもっと長く、実際はいずれも60年程度もあるそうです。マンションは100年以上と計算する研究もあります。 住宅性能を調べてもらうとより安心。戸建ては、コンクリート基礎の補修あるいは取り替えが最優先です。リノベーションと同時に耐久性を高める工事によって長寿命化を図ることが可能です。マンションでも、建物全体の大規模改修(配管など)や建て直しの実施計画が事前に分かれば、それを待ってから購入するのが得策です。購入前に修繕計画を見せてもらうことができます。
Q4 物件購入後に希望のリノベーションが不可能だと分かりました。売買契約を白紙に戻すことはできますか?
簡単にはできません。自己都合での解約ですので通常は売主に対して賠償金が発生することになります。 購入を決める前に物件の点検調査を怠りなく。必ずリノベーションの施工会社に内覧同行を頼むようにしてください。
リノベ工事に関係する箇所で不審な点があれば、見込みで判断せず、設計図面などの資料を売主や不動産業者から取り寄せ、現場での確認を徹底することが肝心です。 マンションは、管理組合の規約上、許可されない工事もあります。
どこまでの工事が可能か不明な場合は、あらかじめリノベーションの施工会社に相談し、希望する工事内容と管理規約を照らし合わせましょう。
Q5 リノベーションをすると固定資産税が高くなりませんか?
ざっくりと分かりやすい判断基準を示すと「建物の補修なら税額は変わらない」「増築なら税額はアップ」となります。10㎡=約6畳以上の増築をする場合は建築確認申請の義務があります。
建築確認の申請が必要な大がかりなリノベーションによって固定資産税がどのくらい上がるか知りたい人は、あらかじめ税務課や税事務所で概算してもらうことができます。
Q6 リノベーションした住宅を十数年後に売却して住み替える予定です。
リノベすると売りにくくなりませんか?
住宅の新規着工数が減少し、今後ますます中古住宅をリノベーションして住むスタイルが普通になり、その件数も多くなりそうな動向がみられます。住宅を売却する場合、次の購入者もリノベーションを前提でその住宅を買うケースも増えそうです。したがって、そう心配する必要はないように思えます。売却時のことを考えずに、思いのままにリノベーションしてはいかがでしょうか。いざとなれば、仲介を頼む不動産会社に相談して、よくある間取りに直してから売却に出すという選択肢もあります。