リフォーム基礎情報
ライフステージと住まいのニーズ いま、あなたに必要なリノベーション&リフォーム
新築にこだわらず、中古物件の購入や、いま住んでいる家の大幅改修も検討材料に含めて選択の幅を広くすることで、マイホーム取得の実現がぐんと近づいたり、新しく変えてみたい理想の住まいに手が届くようになったりします。
ライフステージごとに必要な、またはお勧めしたいリノベーションやリフォームを簡単にまとめてみました。
LIFE STAGE 1 初めてのマイホーム
ふたり暮らしの充実
パートナーとの暮らしを新しく始めたり、リフレッシュさせたりするために住み替えを考えているなら、どんな住まいを選びますか。賃貸住宅ではなく持ち家にすることで、より自分たちの暮らしに適した個性ある住まいの夢が叶います。購入資金の制約、譲れない希望の立地といった条件も、新築にこだわらず、中古物件も視野に入れるとクリアしやすくなります。
子どもの誕生を前に
子どもが生まれると手狭になりそうな現在の住まいから、明るく広いマンションや戸建てへの引っ越しを考える時期。親子ともども友だちになれそうな同世代が多く見つかるかどうかといった近隣住民の年齢層、そして保育園・幼稚園や公園などの周辺環境も大切です。中古物件のリノベーションやリフォームも選択肢に入れると、より多くの課題をクリアできるのではないでしょうか。
初めから2世帯住宅
家族構成や仕事、親世帯や子世帯の希望によっては、初めてのマイホームを親との2世帯住宅にするケースもあるでしょう。親子の関係が住まい方を規定する一方、住まいが関係に大きく影響します。どちらの世帯も我慢しないで済む上手な間取りで「一緒にいる安心」を十分に感じ取れる住まいにしましょう。
LIFE STAGE 2 子育て・家族の成長に応じて
子ども中心にプランを練る
育ち盛りの子どもがいると、やはり子どものニーズを中心にしたリノベーションやリフォームが多くなります。そのニーズ、改まって子どもに尋ねるよりも、ふだんの暮らしの中での観察が大切かもしれません。不便そうにしている場面、いつも散らかっていたり、汚れがちになったりする箇所を気に留めておきましょう。
年齢が上がるにつれて衣類ほか収納物も増えていくのが般的です。また、きょうだいも異性か同性かで、部屋を分ける時期が違ってくるでしょう。しばらくは可変間仕切りで対応し、頃合いを見てしっかり壁で仕切るといった、段階を踏んだリフォームがおすすめです。
3世代同居の住まい
子を持ったことを機に、あるいは第二子、三子が生まれたことをきっかけに夫婦が親と同居するケースも、リフォームやリノベーションで多く見られます。その場合、2世帯住宅に変えるのは、親の住まい(実家)か別に購入する中古物件か。子どもはまだ小さいか、個室を欲しがる年齢の子もいるか。
いろいろな要素の組み合わせで、暮らしやすい住まいのかたちが変わってきます。なかでも子どもの成長は最も重視したい要素でしょうから、まずは子ども関連の空間(子ども部屋、プレイゾーン、勉強スペースなど)を軸にリノベーションやリフォームの計画を練ってみてはいかがでしょうか。また、小さい子がいるとどうしてもドタンバタンと大きな音を立ててしまいますが、1階から2階へはその逆とくらべて生活音が響きにくくなります。階段の昇降をしなくて済むよう親世帯を1階に置くのがセオリーですが、足腰がまだまだ丈夫な親なら、上の理由から2階でもよいかもしれません。
メンテナンスを忘れずに
家族構成が変わらず間取り変更などの必要がない場合でも、長く暮らしてきた住まいなら、総合的なメンテナンスをする時期です。とりわけ屋根・外壁・窓は経年劣化が避けられませんから、それらのいずれか、あるいはすべてにおいて断熱性能を回復する改修が必須となるでしょう。バス・トイレほか水回りも要改修のポイントです。
まだ不便なく使えていても、節水・保温・効率などの面ですぐれた新製品が登場していますから、節約(資源も、水道光熱費も)のために交換を検討してみましょう。
LIFE STAGE3 子どもの巣立ちの前後に
2度目のマイホーム
50代くらいの夫婦なら「2度目のマイホーム」を考えていたりもするものです。これまでなら戸建て・マンションともに新築を購入というのが定石だったでしょうが、中古物件のリノベーショ
ンやリフォームを選択する人も増えています。今後のマネープランの見通しが立てやすい年代です。リノベーションやリフォームで2度目のマイホーム購入の支出を抑えられれば、より不安なく、ゆとりあるセカンドライフを送れるのではないでしょうか。
巣立ち後の部屋
ある住宅メーカーの調査によると、子どもが進学や就職で家を離れた後、子ども部屋をそのままにしている親は調査対象の約半数だったそうです。子どもの帰省時に使うから、というのが主な理由ですが、年にせいぜい十数日のためにそのままにしておくのは、もったいない気がします。また、間取りや構造によっては、冷暖房の面で不経済になることも。活用の仕方を一度考えてみてはいかがでしょうか。
親世帯に向ける関心
高齢の親世帯のことが気にかかる年代です。離れて暮らしているのなら、同居を考える人も多いでしょう。親を呼び寄せる場合は、バリアフリー化や使いやすい住設への交換といったリフォームは欠かせません。
親が現住の家に住み続ける場合でも、やはり各所のバリアフリー化、ヒートショック防止のための断熱性の向上、火を使わないようコンロのIH化など取り組んでおきたい事柄がいろいろで。早めに親に提案して、計画・実行を助けてあげてください。
LIFE STAGE4 セカンドライフ充実のために
より自由な住まいづくり
子どもが巣立って夫婦のみの暮らしに入る年代です。自分たち中心の住まいづくりでセカンドライフを充実させてはいかがでしょうか。たとえば、料理教室も開けるくらいに広く、仕様も機器も高品質のキッチンへとリフォームしたり、リラックス空間として浴室にうんとお金をかけて大きな浴槽と多機能のシャワーを備えたり、趣味や好みに大きく偏ってみるのも、この年代ならではの自由です。
夫婦本位で住み替え
子どもがいるうちは学区や学校へ通いやすい立地を優先した住まいだったかもしれません。しかし、子どもが巣立ってしまえば、気兼ねなく夫婦本位で決められます。公園の近く、スポーツ施設・文化施設に通いやすい場所、安心を求めて医療機関の至近になど、ふたりのニーズに応じた立地で新しく住まい選びをしてみませんか。マンション・戸建てとも、中古物件も選択肢に入れると条件を満たす住まいに早く出会えそうです。
実家リノベーション
親が他界して実家がもう何年も住み手のないまま、という人も少なくないのでは。空き家にしておいても(また更地にしても)維持費がかかります。では売却するか、新しい住み手(自分たちを含む)を探すか。とくに後者であれば、リノベーションやリフォームが必要でしょう。相続人の間での同意、相続税への対処など、事前に考慮すべき課題がいろいろとありますから、早めに、そして着実に話し合いをもって解決しておくことが肝要です。
まとめ ― 次のライフステージに備えて
子ども・自分たち親これら3つの世代のニーズや関心をどう住まいに反映させるか。すべてを一度に実現できるのが理想ですが、予算の制約や意見の違いで、なかなかそうもいかないものです。それでも、時間をかけて準備しておくと課題解決がその分、スムーズになるでしょう。この記事を参考にして、次のライフステージで必要になる住まいづくりの準備に役立ててください。