2世帯暮らし
親の本音、子の気持ち 二世帯同居の成功の秘訣
リフォーム資金と相続
遠慮しない、後でモメない
●子の気持ち――息子
そろそろ持家かな、というタイミングで、わたしの両親との二世帯同居にしました。親のほうからの希望が大きかったものですから。
両親宅を二世帯用にリフォームすることになったのですが、費用のほとんどは親がもつことに。
なんだか負い目を感じてしまって、新しくなる住まいについても要望を述べるのが遠慮がちになりますね。わたしよりも妻のほうが、もっとそう感じているのでは。
家の名義とか相続(兄弟3人)とか、親がしっかりしているうちに、先々のことも決めておかないとならないでしょうね。
●親の気持ち――父
ええ、息子と嫁さんに面倒を見てもらうことになるだろうから、せめてリフォーム資金くらいは出そうと思ってね。前々からそのつもりで貯めていたものです。
ふつうに考えたら、この後、わたしらよりも息子夫婦のほうがこの家に長く住むことになります。だから、お前たちの使いやすいように決めなさいとは言っているんですがね。まだちょっと遠慮をしているみたいですね。
この家、便利な立地で、いい環境なので、離れがたくてね。また息子たちがいずれ自分の子と二世帯同居でもしてくれたら、なんて思っています。
●子の気持ち――娘
夫はわたしの親との同居には抵抗はなかったみたい。実の母娘だから、ぼくが嫁と姑の板ばさみになる心配がないって。むしろ自分の親との同居よりもいいと言っています。
わたしたちの家に父母の部屋を増やすかたちでリフォームしたのですが、リビングでくつろいでもらえるよう思い切って広くしました。自然に団らんが生まれるような工夫です。
親子ということで生活感覚が同じなので、キッチンは共有でだいじょうぶ。いつも楽しくおしゃべりしながらご飯支度をしています。
●親の気持ち――母
二世帯とは言っても娘との同居なので、よくありがちな気苦労は無しで済んでいます。そういうこともあって、なんとなく家の中ではわたしたちの発言権が大きくなっちゃってね。物事をいろいろと仕切っちゃうことも多くて。
娘のだんなさんが、またおとなしい人なの。
ないがしろにしてるわけではないけれども、夫の立場というものを大事にしてあげなくちゃと反省することもあるんです。会社の同僚や取引先の方なども気兼ねなくお招きできるような雰囲気にはしておかないとね。
リフォームをして客間に使えるスペースを設けておいたのは、そんなことを考えていたからでもあるんです。