2世帯暮らし
親の本音、子の気持ち 二世帯同居の成功の秘訣
孫の教育どこまで
子世帯を補助する気持ちで
●子の気持ち――嫁
「おじいさん、おばあさんが孫を甘やかして」という声をよく耳にしますが、夫の父はできた方なので、子どもの教育、しつけについては心配ないどころか、かえって頼もしいと感じています。
リフォームして二世帯同居にしたのは、それも理由の一つなんです。
女の子と男の子、ふたりの子どもがまだ小さいので、二世帯リフォームに際しては子ども部屋を個室にしていません。自分の育った環境を考えたら、寝るところは別にしても、勉強部屋は中学生くらいまで一緒でもいいような気がしています。
せっかくの二世帯同居なので、子どもが大きくなっても、自室に閉じこもらずに、祖父といろいろと話をしやすいような間取りを考えたつもりです。
●親の気持ち――舅
今回リフォームして同居することになった息子にも、子どもの頃のように接するわけにもいかないでしょうね。もう長く離れて暮らしていたのですから、生活の感覚が変わっています。
食習慣や子どものしつけなどは、それぞれの家庭の文化ですから、急に改めさせたり、こちらの言い分を押し付けるわけにはいきません。違いがあって当たり前。親世帯と子世帯が一緒に暮らしていく中で、折り合いをつけていくことになるのでしょうね。
息子のお嫁さんには、孫のしつけなども期待されていますけれども、教育は子世帯が責任を持つのが本来のあり方でしょうから、過干渉にならないようにしようと思っています。
介護への備えを忘れず
自宅で長く過ごすためのバリアフリー
●子の気持ち――息子
母はまだまだ達者ですけれども、やはり高齢者。必要ないとは言うのですが、介護の可能性は当然、視野に入れてのリフォームです。大きなけがをすると年寄りは身体の衰えが進みやすいと聞いていたので、家庭内事故を防ぐ意味でも同居を機会にバリアフリーにしました。
十数年前に父を病気で亡くしました。それまで病院とは無縁の人でしたから、できる限り在宅療養をして、慣れ親しんだ自宅で過ごせたのは、よかったと思います。あの時、バリアフリーにしておけたら、本人も世話をする家族も、もっと安心感をもち、負担を少なくして暮らせたかもしれない。そんな思いもあってのリフォームでした。
●親の気持ち――母
子どもたちが独立してからはずっと2 階の部屋は布団部屋と衣装部屋になっていたので、リフォームを機会に思い切って整理。息子夫婦に住んでもらった方が有効活用できますしね。
ただ、長年暮らして愛着のある住まいですから、あまり大きな改変をしないようにしてもらいました。わたしの日常生活は、これまで通り、だいたい一階だけで済むようにしています。
いまはまだ布団に寝ていますけれども、身体が衰えるとベッドの方が寝起きが楽なそうですから、将来はベッドも入れられるように寝室をリフォームしてもらいました。