暮らしのアイデア
暮らしの多様性にこだわる間取り
時と共に、家族構成もライフスタイルも変化します。
どの世代でも快適に暮らすための家づくりとは?
暮らしの多様性に応える間取りのヒントをご紹介!
【TOREND1】 コロナ禍で見直された習慣
『手洗い』の動線
新型コロナウイルスの流行で、手洗いとうがいの大切さが見直されました。各家庭でも欠かせない習慣として、日常生活に強く根付いたと思います。
帰宅してすぐはもちろんのこと、食事前、作業前後、洗顔に身支度、歯磨きと、1日に何度も使う洗面コーナー。従来の間取りだと、洗面台は脱衣室にあるのがスタンダードでしたが、コロナ禍以降、玄関まわりや廊下に手洗いコーナーを設けるプランをよく見かけるようになりました。
【TOREND2】 各個室に収納「家族みんなの収納」
シューズクローゼット・ファミリークローゼット
最近の間取りで人気の『シューズクローゼット』。玄関横に設けた【家族専用の玄関】です。玄関が散らかりにくく、いつもスッキリとした状態を保つことができます。下駄箱ではなく、オープンな棚に収納することで、管理しやすいこともメリットです。
また、個人の洋服は各自の部屋にあるクローゼットに収納するのがスタンダードな間取りでしたが、最近は「ファミリークローゼット」を設けてひとまとめに収納をするスタイルが人気に。洗濯後の管理が楽なこともうれしいポイントです。
【TOREND3】 脱衣所にひとまとめはもう古い?
『脱衣・洗面・洗濯』各スペースが独立
浴室の前室として設けられる脱衣室。一般的には、洗面台・洗濯機・ボイラーを置き、水まわりの機能を一室に集中させています。そのため、誰かが入浴中だと洗面台が使えなかったり、朝に洗面台が取り合いになったり、干した洗濯物でいっぱいになったりと、不満の声が多い場所でもあります。
最近は、それぞれのスペースが独立した間取りが注目されています。家族みんながストレスなく暮らせる家を目指したいですよね。
『理想の間取り』とは?
敷地の広さや形状、方角、予算などの条件によって、建物のボリュームはある程度決まります。特にリフォームは既存の建物による制約が多くあります。間取りは、その条件や制約の中で、住み手の要望や暮らしやすさを考慮しながら、パズルのように組み立てていきます。同じ人が一人としていないように、家も多種多様。個性的でもシンプルでも、いろいろな家があって良いのです。その家に住む人が心地よく、快適でいられることこそが『理想の間取り」であると言えます。加えて、長く暮らすことを考えると、人が年を重ね、身体の状態も家族構成も変化していくことを視野に入れ、様々な変化へ柔軟に対応できる間取りであることも重要となってきます。
また、時代と共に間取りの考え方も変化しています。現代のライフスタイルから紐解くと、共働きの夫婦が多いことによる、家事負担の軽減・家族間のコミュニケーションのエ夫・在宅ワークへの対応などが課題としてあげられます。ほかにも、余暇を楽しむことや趣味時間の充実への関心の高まりから、個人が所有する物も増加傾向にあります。また、災害の備えとしてストックを持つ家庭も増えてきており、収納スペースの確保も、快適な家づくりの重要なポイントとなっています。
『子ども目線』の間取り
子どもに対して「〜はしたの?」「〜しなさい」とついつい口うるさくなってしまいがちですよね。子どもも「今やろうと思ったのに」と返してきたり。自分の意志や考えを子どもは持っています。自発的な行動を上手にうながすためには、大人が環境やしくみを整えてあげる必要があります。
わかりやすいこと、使いやすいこと、動きやすいこと、ストレスがないこと、楽しいこと、美しいこと。大人にもいえることですが、こういった条件が整っていると、きちんと丁寧に優しい気持ちで暮らしたくなるものです。そのために、間取りや収納計画はとても大事。
ひとりで片付けができたり、一緒にいるときはお手伝いをしたり。子どもの成長に家での生活経験は欠かせません。そして、限られた時間の中でも、親子がコミュニケーションを取るために、同じ空間で過ごす時間を長く持つことができる間取りが理想です。
『ママ目線』の間取り
専業主婦であっても1日中やることは尽きないのに、共働きの家庭が増えている現代、いかに『家事を楽にするか』が家づくりにおいても大きなテーマとなっています。
間取りを考えるときにいつも重要視される『家事動線』ですが、自分自身が短時間でいかに手際良く家事をこなせるかだけではなく、家族の協力を得られるよう工夫することも大切です。そのためには、家族全員が使いやすい間取りであることはもちろんのこと、使用方法や収納場所などのルールがわかりやすいことが重要。みんなで助け合って、毎日を気持ちよく過ごしたいですね。
また、家事に仕事にいそがしく、家族との時間が充分に取れないこともあると思います。ぜひLDKは家族が自然と集ってくるような居心地の良い空間を目指しましょう。同じ空間で過ごすだけでもちゃんとコミュニケーションが生まれていますよ。