暮らしのアイデア
新しいリフォームスタイル
コロナ禍のもとでも「住まいを心地よくつくり変えたい」
という声に応えるべくリフォーム業界は動いています。
今後、リフォームやリノベーションのあり方が大きく変わっていくのでしょうか。
リフォーム相談の現状について、そしてコロナ禍のリフォームに関する提案について
リフォーム最前線で活躍する施工会社にお話しを伺いました。
Q1これまでと大きく変わったと感じる点はありますか?
A社 : 増えた
需要の冷え込みがあると思っていました。コロナ直後では、そのようなニュースや噂も業界では話題になっていました。しかし、当社に限っていえば、逆に修繕の依頼やリノベーションの問い合わせが増えてきています。特に7月頃から、そのような傾向にあります。工事の予算も、全般的に増えている印象があります。
B社 : 減った
コロナ禍の不安による心理的なもの(ボーナスなどの将来の不安など)が少なからず要因となって、予算額を抑える傾向にあります。当社はリノベーションがメインの事業展開なので、大きな金額の中での話にはなりますが…。また、予算を抑える傾向には感じますが、お施主様みなさまがそうかというと、そうでもありません。なのでそう顕著に変わった、とは言えないと思います。
C社 : 変わらない
当社が手掛けるのは、主に中古住宅のリノベーションの分野です。中古住宅リノベーションは、お施主様の感覚としては新築で家を建てる、に近いのかもしれません。そのためか、コロナ前とコロナ後での大きな変化はなさそうです。
世界中に猛威を与え、今もその余波が続く新型コロナウイス。3月~5月は、多くの会社がその影響をうけ需要の冷え込みを実感していました。回復してきたのは6~9月頃でしょうか。おうち時間が増え、おうちのことを見直す方が増えたことで気になっていた「水回りの設備の劣化」や「間取りの使いづらさ」などを解消する小規模~中規模リフォームの需要が高まり、お問い合わせが増えてきたようです。
Q2感染防止対策やリモートワークへの対応など、
コロナ禍に直接関連したリフォーム事例があれば教えてください。
A社 : 玄関手洗いやワークスペース、+αのスペース
玄関に手洗いがほしい、という要望がありました。問題なくリモートワークができるスペースを自宅に設けたいという声もよく聞きます。それから、家族の誰かがコロナに感染した場合を考えると、隔離場所をどうするか、といった話題がお打ち合わせで出ることがあります。
B社 : タッチレス設備
キッチン・手洗い・トイレにタッチレス水栓をつける例が増えました。玄関の手洗器については、当社では以前からリフォームの際に薦めており、これは正解でした。
C社 : 玄関手洗いやワークスペース
玄関の手洗器やワークスペースの需要がにわかに増えているようです。当社では以前からどちらもリノベーションの際に提案しており、施工も数多く手がけていました。今後はこれらが、主流になるでしょう。
以前から、取り入れているお宅もある「玄関ホールの手洗いスペース」「タッチレス水栓」などは、今後さらに需要が増えそうです。ワークスペースは、お仕事だけでなく、趣味の作業場としても人気です。プランドゥリフォーム35号P154~のアイデア特集では、この時期だからこそおすすめしたいおうちに関するアイデアがたくさん紹介されています。要チェック!
Q3問い合わせや要望で特長的なことがあれば教えてください。
A社 : 快適な我が家の実現を
外出を控えて自宅にこもる時間が増えたことから、「わが家でもっと快適に過ごしたい」という欲求が高まっているのを相談の席で感じています。
B社 : すっきり収納
在宅勤務のために、もうひとつ仕事用のカウンターテーブルを設けたい、という声を聞きました。リモートワークを始めたらパソコンや周辺機器のケーブル類が部屋で目立つようになり、これらをきれいに隠せるようにしたい、という要望も多くなっています。
施工会社側の取り組みにもさまざまな特長が。例えば、オープンハウスを完全予約制に、相談会をオンライン上でできるように、またはリフォーム後の住まいをネット動画で紹介、VR(仮想現実)ゴーグルを使って、自宅に居ながら仮想空間内のモデルルームを内覧可能に…対面による提案が無くなることはないでしょうが、こうした非接触の提案が住宅産業全般に広がっていきそうです。
Q4生活のあり方を大きく変えたコロナ禍ですが、
リフォーム会社として提案したいことがあれば教えてください。
A社 : 衛生面や、換気を意識して
やはり玄関に手洗器があると安心で便利です。それから秋冬の北海道では家の窓をあまり開けないので、コロナを意識して換気対策も一層重視すべきでしょう。
C社 : 安心できる環境づくり
ことさら特殊なものを追求しなくても、リフォームやリノベーションで実現したい快適さをよく考えることが、結果としてコロナ後の住みよい家につながるような気がします。
例えば、可動式の間仕切りでリモートエリアを確保したり、玄関手洗いなどの設備がウイルス対策になったり、リフォームには、これからの「ニューノーマル時代」を心地よく暮らすヒントがあります。ワークスペースの確保や健康を考慮した設備や間取りなど、多角的な視点で提案をしてくれる会社を探しましょう!
小規模リフォームもおすすめ
今年は旅行や外食を控えた分、すこし家計に余裕ができたケースもあるでしょう。それを使って水回りや収納など、まずは小規模のリフォーム、箇所を絞ったポイントリフォームをしてみるのもおすすめです。相談などはネットなどを活用した非接触で、要所では感染対策をしたうえでの対面で――客との打ち合わせには、リフォーム各社、当然ながら細心の配慮で臨んでいるはずです。この点については心配なく訪問・相談してみましょう。