リフォーム戸建て
”非日常”を楽しむ仕掛けがいっぱい 梁を渡したオープン空間で薪ストーブに温もる暮らし <旭川・戸建て・リフォーム>
東陽AP
見に出かけたオープンハウスが知人の家という偶然
旭川までの通勤時間は車で15分。3年前、のどかな田園まち・比布に建つ中古住宅を購入し、移り住んだYさんは「そろそろタイミングかな」とリフォームを検討。当初は予算のこともあり、「水回りだけ直そうか」と考えていたといいます。それが一転、まったく新しくつくり変えることに決めたのには、いくつかの偶然が重なっていました。
その一つが、東陽APが開催したオープンハウスです。築40年のリノベーション住宅と築年数も我が家に近いことから行ってみると、そこには奥さまの知った顔が。なんと、その住宅の持ち主は知り合いだったのです。さらに、見学者に対応していた東陽APの村田さんとご主人にも共通の知人がいると後日わかり、人の縁がぐるりとつながりました。
リノベーションを体験した知人の話を聞けば聞くほど、全面的に家をつくり直すことに「心が動いた」という奥さま。ご主人も「中途半端はよくないし、何回もローンを組むのもなぁ」と考え、「あとは村田さんの人柄」とご夫妻が口を揃えていうように、つながった人の縁が決め手となって決断に至りました。
遊びに来た誰もがすっとなじめる家に
玄関ドアを開けると何も遮るものなく、吹き抜けのLDK空間がど~んと広がるY邸。初めて訪れた人みんなが、玄関に入った途端に上を見上げて「お~」と声をもらすといいます。意表をつくようなY邸の空間。そこには、ご夫妻のどんな想いが込められているのでしょう。「以前から梁が見える家に住みたいと思っていました」と奥さま。仕切りが多く閉鎖的な前の家の状態も変えたかったといいます。また、収納は棚を含めて「なるべくつくりたくない」と要望。収納よりもモノを減らすことを選択する暮らしです。
一方、ご主人には「薪ストーブがあって、非日常が楽しめる暮らし」という強い希望がありました。それは家族だけにとどまらず、遊びに来た人たちにも味わってもらいたい感覚で、そのイメージをご主人は誰もがくつろげる温泉旅館に例えます。「暖炉がある温泉旅館の広いホールのように、おじいちゃん・おばあちゃんも子供たちも、誰が遊びに来てもすっとなじめる空間にしたかったんです。茶の間的に使っているスペースも、ソファなどを置いて固定化するのではなく、温泉の休憩室のように座卓とクッションで自由に動けるようにしました」完成後、お子さんたちの友達などたくさんの人が遊びに訪れたというY邸。その人たちの自由に時間を過ごしていく様子に、うれしさがこぼれるご主人です。
薪ストーブ1台で厳しい冬も暖か
生活は1階で完結できるため、老後も安心。お子さんたちの独立後には空くことになる3室の使い道も、フレキシブルに考えられます。「冷蔵庫のような寒さだった」と奥さまが話す以前の状況から、ハイレベルな性能の認定長期優良住宅に大転換したY邸。ハシゴで上がる2階には、書斎やお昼寝などいろいろ使える空間とキャットウォークがあり、いずれも吹き抜けを介して1階とオープンにつながってます。
「ひと冬過ごしましたが、暖房は薪ストーブ1台で十分に暖かいですね。ストーブの一部を覆うように石が付いたタイプなので、火が消えた後も石に蓄熱されて、1日くらい留守にしても帰るとふわっと暖かい。オープンな空間なので暖気も回りやすいし、エアコンはありますが暖房機能は使ったことがありません」 思い描いた通りの暮らしに、ご主人は納得の表情を浮かべます。
“ 非日常”を楽しむプランはまだまだ続く
くつろいだり走り回ったり、ハンモックでゆらゆらしたり、何をするにも心地よく、何より気持ちがのびやかになる吹き抜けの大空間。そして、薪をくべる手にも楽しさがこもるストーブの存在。さらに、温かい時期にはキッチンと最短動線で結ばれた庭のバーベキューコーナーで、食べて飲んで笑って。わざわざ時間をつくってどこかに出かけなければ味わうことのできない“非日常”を、思い立ったらすぐに楽しめるYさんご家族の住まい。
「来年は外のデッキにタケノコテントを立てようと思っています」とご主人。広い庭をフルに活用して、キャンプサイトを自宅に設営するプランが進行中です。
Data
- 築年数:築48年
- 種別・構造:木造2階建て
- 床面積:1階107.41㎡ 2階8.26㎡(減築59.49㎡)
- 工期:約5ヵ月
- リフォーム費用:~2,500万円
- プランドゥリフォーム vol.39号 掲載