宿泊客も「住みたい!」というほど居心地のいい空間。北海道の木が香る簡易宿所Vacation house「ITER-イテル-」
東商建設
函館市海岸町に建つ築41年の建物を1棟貸しの宿にリノベーション。オーナーが求めたのは、ミッドセンチュリー(1950年代前後)が感じられる落ち着きと心地よさに包まれた木の空間でした。
知人の飲食店のリノベーションを手がけた会社
海外からの観光客・インバウンドも多い函館。観光資源が豊富なこの地元で1棟貸しの宿泊施設を経営したいと、2024年1月、Oさんはギャラリーや事務所などに使われてきた築41年の平屋の建物の購入を検討。リノベーションは、知人の飲食店を手がけた東商建設にお願いすることに決めました。
「知り合いのお店を見て『いいな』と思ったんです。ほかの会社には声をかけず、東商さん一本で話を進めました」とOさん。打ち合わせがスタートしたのは、春の訪れを感じ始めた3月。ミッドセンチュリーが好きで、その時代を代表するアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが好きなこと、自然が感じられる落ち着きのある空間で、できれば木を使った内装にしたいことなど、資料を添えてイメージを伝えました。
間取りも内装も設備も提案されたすべてがパーフェクト
空間全体の雰囲気を左右する内装ではOさんの希望に沿って、床には道産のナラ無垢材、壁と天井の一部には道南スギを使用。木と白壁の組み合わせが清々しく、北海道らしい自然の趣にあふれた空間提案です。間取りや内装だけでなく、キッチンや浴室などの設備選びまで、すべてをお任せで提案してもらうことにしたOさん。示された案は非の打ちどころのないもので「これはやめましょう、というものが一つもなかった」といいます。
Oさんの好みやイメージを的確にとらえたプランでトントン拍子に話は進み、5月に着工。2ヵ月半ほどの時を経て、2024年8月1日、ラテン語で「旅路」を意味する「イテル」と命名されたバケーションハウスが、めでたくグランドオープンを迎えました。
つくった人の「愛を感じる空間」という宿泊客のレビューも
「宿泊予約はおかげさまで順調に入っています」と話すOさん。空間自体の評価も高く、宿泊した人のなかには「住みたい!」「リピーターになって、また来ます!」という人も。室内にはリノベーションのビフォー&アフターの資料を置いていますが、一つひとつの造りに「愛を感じる」という宿泊客のレビューもあったといいます。「函館を旅する人たちにはこんな空間でひと時を過ごして欲しい」というOさんの想い。それをしっかり受け止め、心を込めてカタチにしていった東商建設。それぞれの想いは、宿泊客のみなさんにも確かに伝わっているようです。
Data
- 築年数:築41年(1983年築)
- 種別・構造:木造1階建て
- 床面積:84.23㎡ (テイクアウト店舗部分込み)
- 工期:約2.5ヵ月
- リフォーム費用:~2,000万円
- プランドゥリフォーム vol.43号 掲載