夫婦それぞれの趣味室ができた！＜札幌・実家リノベ＞

湿気がひどく、壁の下地が朽ちかけていたことなど忘れてしまいそうなくらい、明るく清々しいLDK

　25年前に奥さまのお父さまが建売で購入したツーバイフォー住宅は入居してすぐに雨漏りし、修理を頼んでも直らず…。いわば欠陥住宅のまま、我慢の日々を過ごしてきました。今回のリノベーションでは傷みの激しい部分を直して、補強。住環境が一新し、アンティークの映える住まいに生まれ変わりました。

玄関からLDKに続く廊下の壁は一面の造作棚

リビング隣は奥さまの趣味室。窓側の壁は、１９世紀イギリスの詩人でデザイナーのウィリアム・モリスのクロス

寝室の隣、吹き抜けにスノコ状の床を張って設けたロフトはご主人の趣味空間に

　雨漏りや結露など“水”に長年悩まされてきたOさんご家族。北王のことは本誌で知り、モデルハウスの見学会や、説明してくれた担当者の「営業、営業しない」対応ぶりが決め手になり、依頼することにしました。
　「状況確認でうかがい、キッチンの壁を触ったらグニャグニャっと。それくらい下地がひどく傷んでいました」と北王の担当者。

　キッチンだけでなく、水回りも含めた北東側の屋根から壁は全面的にやり替える必要があると判断。致命的な不具合の解消以外では、母娘二人で立てる広いキッチンと、趣味のモノが収まる充実した収納などを希望。それに対して北王では、構造補強した北東面の壁や屋根とあわせて断熱を改修。キッチンは場所を移動してオープンスタイルに変更し、収納は廊下や階段部分も有効に使ってたっぷりと設けました。

壁はほぼそのままで使いやすい家事スペースと動線を実現。

玄関にも、奥さまの趣味室と同じウィリアム・モリスのクロスを貼って。シャンデリアは、アンティークショップの人がクロスのサンプルを見て選んでくれました。

2階廊下から、ウォークインクローゼットの横を通って寝室へ。入口のアールも欧米の瀟洒な住宅のイメージ

　設計面で一番苦心したのは、ツーバイフォー工法の制約。柱と梁で立つ在来工法と違い、耐久壁で建物を支えるツーバイフォー工法では簡単に壁をぬくことができません。元の間取りを活かしつつ、欲しい空間をどう取っていくか。１階では洗濯室とUTあわせて５帖以上という広いスペースを実現。キッチンは開放的な対面式として生まれ変わりました。

外装も全面的にやり替えて。外壁は30年保証で、将来的にメンテナンスも塗り替えも必要ない樹脂サイディングです

　「以前は湿気がひどく、健康にもよろしくない感じでしたね。趣味で集めたものも湿気が気になって、楽しむより前に心配でした」と奥さま。実はご夫妻は、ご主人がアンティーク好き、奥さまがパッチワークを嗜まれ、コレクションも膨大にお持ちの趣味人。今回のリノベーションでは湿気の問題の解消だけでなく、それぞれの趣味部屋も確保することができました。