リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
テーブルは部屋の真ん中に置く事が多い家具。どんなテーブルを選ぶかで部屋の雰囲気が大きく変わります。ダイニングテーブルは食事など使用頻度が高く、触る事も多いので手触りの良いものにしたいもの。木のテーブルを選ぶ時のポイントをまとめました。
木のテーブルは大きく分けると無垢材と木質素材に分類されます。木質素材のひとつに突板(ツキイタ)があります。突板はインテリアショップでも多く扱っていて、突板のテーブルと無垢材テーブルは見分けがつかない事もあります。突板は合板にスライスした木を表面に貼ったものです。木目が美しい木を厚さ0・2ミリから1ミリほどにスライスして貼ります。ぶつけたりキズがつくと突板が剥がれてしまいます。無垢材はキズがついたら削って修復する事ができますが、突板は修復は難しいです。テーブルは使用頻度が高いのでキズがつく事も想定して素材を選ぶ事が大切です。
無垢材のテーブルは多くが広葉樹を使っています。針葉樹は柔らかい材質でキズがつきやすいです。しかし軽いのでテーブルを移動する事が多い場合は針葉樹がおすすめです。代表的な針葉樹はヒノキ、パイン、スギなどです。広葉樹は硬く重く丈夫です。代表的な木はセン、タモ、ナラ、カエデ、カバ、サクラ、クルミ、ブラックウォールナットなどがあります。無垢材は年月と共に独特の味わいが楽しめます。明るい色の木は少し濃い色になります。濃い色のブラックウォールナットなどは少しづつ明るくなることがあります。
無垢材のテーブルは一枚の板で天板を作る一枚板のテーブルと数枚の無垢材を幅方向に接いだ幅はぎテーブルがあります。ダイニングテーブルの奥行きが90センチを基本に考えると一枚板のテーブルを作るには幹の太さが1メートル以上の高樹齢の大木が必要です。高樹齢の木は希少で高価です。幅はぎテーブルは木の割れや節穴などを除いて木目の綺麗な木で作れるメリットがあります。無垢材のテーブルは、幅はぎテーブルの他にアンティーク家具に見られる額縁のように組んだ框組み(カマチグミ)のテーブルもあります。
無垢材は湿度など環境により反る事があるので、反りを防ぐ工夫がされています。例えば天板の裏に施す「吸い付桟」や「幕板」を取り付ける方法です。無垢材のテーブルを選ぶ時、反り止めが施されているか聞いてみることをおすすめします。
無垢材のテーブルはフキンで拭く時、木目に沿って拭くと汚れが取れやすいです。汚れが取れない時は硬く絞ったフキンで水拭きします。木を長持ちさせるにはなるべく水拭きは避けて普段は乾拭きします。汚れや水滴はシミの原因になるのでなるべく早く対処します。無垢材のメンテナンス方法は塗装の種類によって異なります。水に強い塗料、木の質感を損なわない塗料、天然原料の塗料などがあります。塗料の種類とお手入れの方法を確認することをおすすめします。
木の特徴のひとつに「温もり」があります。他の素材には無い温かみのある手触りです。我が家は古い無垢材のダイニングテーブルがあります。36年使っていますが天板のさらりとした感触は心地良いものです。毎日使うテーブルだからこそ実際に手で触れてみてテーブルを選ぶことも大切だと思います。
感想・お問合せ先
mail@kigurashi.info
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
雑誌『プランドゥリフォーム』
バックナンバーの紹介・ご購入