リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
そろそろ、わたしもベテラン・ワンコママとして自信を持ってもよい頃だと思ったりもするが、我が家のワンコの言動を見る限り、残念ながらまだまだダメママなのは自分でよ〜く分かっている。いまだに周りのワンコママたちにあれやこれやと教えを受けながら、なんとか暮らしているのが現状で、持つべきものは〈ワンコママ友〉様たちなのだ。 ともあれ、12年と長い年月を暮らしてきてはいるので、今回はワンコ暮らしの良さをお伝えできればと思う。
ワンコと暮らして一番よかったなぁと思うのは、一緒にお出かけできること。実家にも連れて行けるし、ペット可能なら温泉にも行ける。車に乗っても平気だから、ドライブや遠出の旅行も可能だ。
ニャンコと暮らしているときには、いつもオウチで留守番をさせていたので気が気じゃなく、せいぜい1泊で帰ることが多かったが、その点、ワンコは一緒に行動できる範囲が広いので寂しい思いをさせることも少ない。
もちろんワンコの性格により違いはあると思うが、我が家のワンコたちはなんてったって外が好き! どれくらい好きかというと、例えばゴミ捨ての日。部屋からゴミ捨て場までの往復2分足らずの外出でも、とっても喜ぶほどなのだ。
もうひとつ、ワンコと暮らしていて感じるのは、時々だけれど人に喜んでもらえること。例えば、お散歩しているときにすれ違うおじいちゃんや、ベンチで休んでいるおばあちゃんが、〈あらぁ可愛いねぇ、おいで~〉と我が家のワンパク二匹を撫でて(そんなときだけ彼らはとてもいい子にしている)、うれしそうに笑ってくれているとき。そして最後に、〈ありがとうね〜〉ってワンコに笑顔で言ってくれる姿を見ると、わたしは何もしていないのに、幸せな気持ちになるのだ。
いまは亡き父も、生前は実家に連れて帰るたびに、わたしの目を盗んで“おはぎ”や“甘いお菓子”や“珍味”まで、自分が食べているものを与え、〈お座りさせてからあげてよ!〉と怒るわたしの声には振り向きもせずに、〈お前たちも大変だなぁ。いちいち座らないとだめなんだとさ~〉とワンコに話しかけながら、あげてほしくない数々のおやつを食べさせている姿は、とても楽しそうだった。
ワンコのお陰で自分はもちろん、少しだけかもしれないけれど、他の人にも幸せな時間をおすそ分けできるのが、ワンコとの生活の楽しさなのだ。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
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