リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
弟ワンコが3歳を過ぎた頃から(お兄ちゃんワンコよりもひと回りも大きい身体になった頃)、どちらかが私といると「う~」と唸るようになった。どうして唸っているのか、さっぱりわからなかったのだが、ある日、お兄ちゃんワンコを抱っこして立ち上がろうとした私に、弟ワンコが下から飛びついてきたことで「やきもち」なんだとようやくわかった。その頃から2匹を一緒に抱くと「う~」「ウ~」と唸り合うように・・・。
2匹は365日×4年間も一緒に生活しているのに、どうして急にそうなったんだろう。昼間、お留守番しているときは仲良くしているのだろうか。ある日、帰ってきたら決闘の後の血だらけのワンコになっているのではないか?などと妄想は膨らみ・・・ワンコ部屋を分けるべきか悩んでいた。
それからはとても大変で、帰宅すると、まずは長男意識の強いお兄ちゃんワンコをたっぷりと可愛がる、それから弟ワンコを同じくらいに可愛がる。「同じくらい」の時間を守らないと喧嘩になり、間違って弟ワンコに先に声をかけようものなら、お兄ちゃんワンコはゲージに入ってでてこない「いじけ」状態になり、ご飯も食べないのだ。
お散歩に行くときはもっと大変だ。雪道が苦手なお兄ちゃんワンコは超ゆっくりページで歩く。一方、寒さなんてへっちゃらな弟ワンコは力強く前に向かってグイグイ進む。同じように扱ってあげたいと思う私の腕は、すごく前とすごく後ろに引っ張られちぎれそうになるのを、ひたすら耐えるのだ。なのに、帰り道、必ず寒くて歩きたくなくなる彼らは「抱っこして~!」とばかりに“動かない攻撃”をしかけてくる。しょうがなく2匹一緒に抱っこして帰るけれど、この時だけは君たち、まったく唸らないのはどうしてなのかね?2匹合計で8kgを抱えて歩く私が、重くて「う~」と唸り声をあげているんですけど…。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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