リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
小さい身体で大きい犬に真っ正面から向かっていくお兄ちゃんワンコ。そんな彼も10歳になり、分別をわきまえるようになってきたが、ところが!
以前はご近所のワンコママたちから「●●ちゃんは、自分が一番強いと思っているんだもんね〜」と、半分呆れ顔で言われることが多かったお兄ちゃんワンコ。
さすがに10 歳にもなると身のほどをわかってきたのか、絶対に勝てそうもない相手に向かっていくことは少なくなってきた。やれやれ…。
ところが、安心したのも束の間、最近は弟ワンコが無謀な戦いを挑むようになってきたのだ。今までは、お兄ちゃんワンコの後ろから加勢するようにワンワンと吠えていた彼。最近では一目散に目標のワンコへと突進していく。弟ワンコは、お兄ちゃんワンコよりもひと回り身体が大きく、力も強いので、油断しているとリードを離してしまいそうになる。離さないまでも、グッと引っ張られる瞬間の力ときたらスゴイもので、肩が抜けるのではないかと思うくらい痛いのだ。
弟ワンコ3歳。人間でいえば血気盛んな20代というところ。見るもの聞くもの興味深々で、何でも食べるし、手先(?)が器用で、猫のようにうまく手を使って扉を開けたりワンコガードを外したりと、お兄ちゃんワンコとは違って「どんくささ」はまったくなく軽快で足も速い。それでも、内弁慶だったので外ではおとなしく、知らない人には寄らず、知らない犬にも寄らないという「安心タイプ」だった。
それが、ここに来て真逆の性格に…。
まるで、ちょっと前までのお兄ちゃんワンコと同じになってしまったのだ。
一緒にいると性格はうつるのか、それともお兄ちゃんワンコの代わりに「自分が!」という世代交代の気持ちの現れなのか、どちらにしてもまったく迷惑な話である。お兄ちゃんワンコは今年10歳…、そう、私も一緒に10年分老いているのだ。
「体力は下がる一方なんだよ… 少しは、いたわってもらわないと…。ちょっと、聞いてる?」
お話を聞くときに小首を何度も傾げて聞くお兄ちゃんワンコとは対照的に、話を始めると「キッ!」と私の目を睨みつけ、ビューンと走って逃げていく弟ワンコ。
そうだった。この言葉も彼の耳に届くことはなかったんだった…。
弟ワンコに振り回されないように筋トレに励もうと思う。まずは、家にたくさんあるスポーツ器具のホコリを払うこところからスタートしなきゃ…。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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