リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
早いもので我が家のお兄ちゃんワンコは今年で10歳になる。7歳以上はシニアのくくりらしいので、もう立派なシニア犬だ。
生後2 ヵ月ごろから我が家の一員になったお兄ちゃんワンコは、2歳の誕生日を迎えても毛ぶきが悪く、ペットショップに掲げられていた「ロングコートチワワ」の表示は嘘で、本当は「スムースチワワ」なのではと、私は焦りと不安に包まれた。
「血統書には、親も祖父も祖母も、すべてがロングコートチワワとなっているから間違いではないのだろうけど、一体いつになったらフサフサした毛になるんだろう」。
心配で心配で、病院に何度も相談に行くほど悩んでいた。
3歳になり、やっとチワワらしい毛が揃ってきてスムースチワワ疑惑が解消されたときには、心から安堵したのを今でも覚えている。
それに比べると弟ワンコは、とても毛ぶきがよく、半年後には尻尾も耳の飾り毛もフッサフッサ。弟ワンコと暮らして初めてわかったのは、毛の長い子は「毛玉ができる」ということ。
ある日、ふと耳の辺りを撫でていると毛の絡み合った「毛玉」を発見。
ちょっとした感激と共に、はさみで切るときになぜだか「優越感」を感じた、親ばかな私なのだ。
10歳にもなると、すっかり我が家の生活にも慣れたもので、どこに何があるか大抵のことはわかっているようだ。
ごはんの場所、おやつの場所、冷蔵庫にはおやつや牛乳が入っていること。
納戸の中にはお散歩用の服やリードが入っていること。
私の立ち位置で次に何が起きるのかを、ほぼ想像できると思われる。なので、洗面所から「おいで〜」と飛びきりの優しい声で呼んでも決して走っては来ない。
彼には、洗面所→お風呂→シャワーという判断ができているのだ。本当に稀にしか使わない掃除グッズを納戸から出すときなどは、散歩に行くものと思い込みクルクル回ってワンワンほえて大喜びする。だから、よからぬ期待をさせぬように、掃除の頻度をできるだけ減らしている、優しい私…。
最近は、弟ワンコも同じくらいわかってきたようで、洗面所で呼ぶ私の甘〜い声には騙されなくなってきた。そろそろ新しい手を考える必要がでてきたようだ。
我が家の1人対2ワンコの戦いは、ますます激戦となるであろう。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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