リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
今年の夏に8歳になる我が家のワンコに弟分ができた。
留守番時間が長い我が家のワンコは7歳のいままでひとり暮らし。
慣れているので寂しくはないだろうと思ってはいても、「本当は寂しいのでは…」といつも気になっていた私。
清水の舞台から飛び降りるくらいの勇気と決断をもって、2匹目のワンコを迎えたのだ。
女の子が希望だったが、縁があったのは男の子。初めて会ったときから全く物おじしない態度に、お兄ちゃんワンコとのバトルを想像し不安がよぎったが、それはまさに正解だった。
今まで全てが自分のものだったお兄ちゃんワンコにとっては、チョロチョロと動き回り、見るもの全てにちょっかいを出す弟がうるさくてしょうがない様子だ。
1日に1回は犬社会の上下関係を教えられるべく「洗礼」を受けている弟ワンコ。
この先、一緒に暮らしていけるのだろうかと不安に思いながらも見守るしかない私は、オドオドしたりハラハラしたりと精神的に落ち着かない日々が続き、多頭飼いの難しさに悩む日々を過ごすこととなった。
しかし月日が経つにつれ、2匹の関係にも変化が見られるようになってきた。お兄ちゃんワンコがお気に入りのおもちゃをくわえる。取りあいっこをしているときは普通に遊ぶが、「うぅ?」と唸ると少し離れたところから黙って見ているようになった。
「うんうん…上下関係ができてきたのね…」と、ほくそ笑む私。
そもそも犬は群れで暮らす動物。しっかりとした上下関係があるべきものなのだ。
犬は何頭の群れであっても、1位から最下位まで縦一列に順位がつくという。
ペットとなり人間社会で暮らしていても、本能が変わることなく、自分が家族の中で何番目かをハッキリと意識するそうだ。そこで、我が家の順位を考えてみた。
お兄ちゃんワンコからは「自分→私→弟ワンコ」、どう見てもこの順位だ。そして問題の弟ワンコはというと、「お兄ちゃんワンコ→自分→私」になっているではないか!!
甘やかしすぎたか。はたまたボスとしての威厳がないのか。
今のままでは我が家のボスの座は、お兄ちゃんワンコに乗っ取られたまま。
弟ワンコも6ヵ月になった今が最後のチャンスと捉え、私がボスになるための我が家の見えない戦いは静かに始まる予定である。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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